「森本おじさん」の愛称で親しまれてきた、東京大学・国立天文台名誉教授の、森本雅樹先生が、11月16日朝、鹿児島市で急性心筋梗塞で亡くなられました。78歳でした。
・・・というか、ほんと、信じられません。
森本先生は、私が最も尊敬する天文の先生で、私が天文を好きになるきっかけになったのが、森本おじさんでした。

電波天文学を主とし、長野県の野辺山宇宙電波観測所(国立天文台)の設立に立ち会い、SETI(宇宙人探し)をすすめ、アルタイルに日本語のメッセージを送った唯一の日本人。国立天文台の退官後は、鹿児島大学の教授をつとめ、宇宙コースを新設、電波望遠鏡を錦江湾公園に設置。学長候補にもなっていた。鹿児島大学退職後は、西はりま天文台公園(兵庫県)の長となり、口径2mの世界最大の公開天文台望遠鏡の設置計画を進める傍ら、「兵庫県は大きな博物館」をスローガンに、兵庫県内の自然を見て回るツアーや、自然学校の講師を務めていました。
まだまだ現役で、鹿児島に日本フィルオーケストラの誘致をしたことから、毎年世話役として鹿児島に呼び、足を運んでいましたが、その関係で訪れていた鹿児島で亡くなられたそうです。
講演会では、会場を歩きまわり、脱線しまくり、でも人を引き付け、宇宙の中に入り込んでいく。この森本マジックに日本中のファンができていました。
四日市では、四日市市立博物館の開館寸前講演会に、現在JAXA副理事の樋口清司さん(四日市市出身)と、森本先生がいらっしゃって、会場内のみんな、度肝を向かれて、でも引き込まれていました。
テレビにも出演し、その時には本当にマイペースぶりを発揮され、司会者も驚くほどのユニークさでした。(タモリさんとか・・・)
私は、個人的にも、鹿児島大学にいらっしゃったときに、家に招いていただいて、すばらしいごちそうを振舞っていただいたこともありました。お酒も大好きな先生でしたので、九州の地酒もたくさんいただきました。お酒が好きなことから、宇宙を含む電波望遠鏡のプロジェクトの名前を「VSOP」と名付けたくらい、ユーモアのある先生です。
私個人としては、もう8年くらい直接お会いできていなかったことが、最大の後悔ですが、森本おじさんの功績が後世に残ることを確信しています。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
ありがとうございました。お疲れ様でした。
最後に、森本おじさんが言っていた言葉から。
「宇宙人?いるにきまってるよ。だって、ボク、宇宙人だもん。君もでしょ?」
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